膝痛の中には関節内注射や鎮痛剤が全く効かないものが存在する。つまり西洋医学では内科的に治療がお手上げの膝痛があるが、それは坐骨神経痛・大腿神経痛に由来するものと骨壊死(正確には髄内骨折)によるものがある。ここでは後者の骨壊死に由来する膝痛の治療成績を示す。骨壊死(髄内骨折)はMRIで確認でき、患者はMRIの情報を持参して来院するので診断の信用度が高い。膝骨壊死は保存的に治療することは不可能と思われているため、本治療症例は奇蹟的な治療の部類に入る。
全13例 中止1例
1例は当院の治療方針に不信感を抱いたため治療せず中止。全12例での症例検討。
治療成績
全治6例 著効3例 改善3例 無効0例
全治:普段の生活では膝の痛みを気にしないで済む状態になりそれが継続
著効:痛みが5割以上軽減し、その状態が継続
改善:痛みは軽減するが再燃を繰り返すため治療を継続
考察
治療の有効率は100%。これは他の整形外科などの病院でどんな保存的な治療を行っても改善しなかった症例に対しての有効率100%であるから、他の医師からすれば「全く信じることのできない有効率」と捨てセリフを言いたくなるほど当院治療の優位性が際立っている。しかしながら当院では治療後のMRIを撮影し、骨壊死部分が明らかに改善していることを示し、画像上のエビデンスがある。
MRIで「膝骨壊死」の診断がつくと整形外科では「注射が無効なので手術(人工関節置換術)しか治す方法はありません。」と言われ、患者が60歳以上であればほぼ全例に手術が勧められる現状があり、当院のように内科的に本症例を治療する例はほぼない。内科的に治癒が可能であれば手術の必要はないが、それは整形外科学会の方針・利益と異なるという現実問題がある。