ブロック注射の種類とご紹介

ここでは私が普段行っている治療(ブロック)の説明をします。


腰部神経根ブロック

神経根ブロックは痛み、しびれ、間欠性跛行、麻痺などの症状に効果のある「ブロックの中で最高峰」の注射です。最高峰と言われるだけの効果の高さがあり、「手術しか方法がない」と言われる神経痛を保存的に改善させることができる例が多い(私の治療では90%以上)のです。ただし、手技が難しくレントゲン透視下で造影剤を用いて行う煩雑さがあります。詳しくはこちら


上頚神経節ブロック

超音波透視下に行う精密な交感神経節ブロックです。星状神経節ブロックと同じような効果がありますが、より脳に近い位置へのブロックですので、脳・延髄・上部脊髄の血流を増加させる作用がSGBよりもさらに期待できます。そのため、脳疾患・精神疾患・自律神経失調症などに効果があります。私のところへはこのブロック注射を受けに来る方が約3分の1を占めており、もっとも人気の高いブロックとなっています。詳しくはこちら


トリガーポイント注射

トリガーポイントとは痛みを引き出すポイント、つまり痛いところに注射をするという「もっとも簡単なブロック注射」のことを意味します。マスコミが大々的にとりあげたため(I県のK先生)、誇大広告が先行しています。当院でも容易に行うことができます。しかし、その場しのぎになることが多いため第一選択とはしていません。しかしながら筋膜リリースやトリガーポイント注射が驚異的な治療効果を発揮するケースが稀にあることを知っています。なぜ効くのかの原理は全く不明です。


腱鞘内注射

近年、この注射は整形外科では縮小されていく傾向にあり、できる医師が減ってきています。その最大の理由は厚生労働省による「保険つぶし」です。つまり診療報酬を「ただ同然」まで引き下げることで、治療をする医師がいなくなるというものです。しかし、実際は正しく適切に行えばこれほど即効性のある素晴らしい治療はありせん。詳しくはこちら


傍神経根ブロック(PRB)

傍神経根ブロックとは通常の神経根ブロックをブラインドタッチで行う手技です。私が独自に開発したブロックですので他の医師にはできません(ただし、私と同じように独自にこのブロックを開発して行っている医師が日本中を探せばどこかにいます)。神経根(ルート)ブロックは各種疼痛治療にもっとも効果的と言われているブロック注射ですが、現保険医療ではエックス線透視下に造影剤を使用して、神経を映し出しながら行うことが義務付けられており、外来で簡単に行えない仕様になっています。そこで私は神経根に直接針を刺すことをやめ、造影剤を用いずブラインドタッチで神経根のそばに薬液を注入する方法を開発しました。それが傍神経根ブロックです。外来で手軽に行える神経根ブロックです。詳しくはこちら


腰部硬膜外ブロック

硬膜外ブロックは脊椎の内部に針を進めるため、さまざまな合併症がつきまといます。硬膜外血腫、感染、神経損傷、脊髄麻酔になってしまってショックになるなどです。それだけではなく、深部で椎弓間孔を探る際に強い痛みを伴うことがあり、耐え難い激痛となることがあります。よってブロックは効果的であることがわかっていても本ブロックを受けたくないという意見を多く聞きます。私は深部局麻法という、ブロック時の痛みをわずかにする手法をとっており、規格ではもっとも細い針(25G)を用いて針の刺入に時間をかけて(5分以上)行っています。そのため痛みを訴える者はほとんどいないという状況です。また、針先に何が当たっているかの感覚があるので、痛みを強く感じる骨膜に針先が当たる前に方向修正ができますので、強い痛みを感じさせずにスイートスポットに針を進める技術を持ちます。さらに、他の医師がブロックを放棄した(術後の脊椎、側弯症の脊椎、高齢者脊椎)方を専門にブロックを行っています。詳しくはこちら


仙骨部硬膜外ブロック

仙骨部の硬膜外ブロックは主に坐骨神経痛の治療に用いますが、過活動性膀胱や過敏性腸症、足のつりなどに有効です(医学的にはこれらの症状に有効とは考えられていないので、これらの症状に本ブロックを行う医師はいません)。腰部からの硬膜外ブロックよりもリスクが低いのでこのブロックを好む医師は多いのです。が、実際は仙骨部の奇形と狭窄により、想像以上に注射が成功しないのが難点です。また、無理矢理仙骨裂孔に針を入れようとして患者に激痛を与えることも少なくありません。また、この部位には静脈叢が存在し、誤って静脈内注射になってしまうことが多く、一般の医師たちが考えているほど容易なブロックではないと私は考えています。私は局所麻酔を用い、27G針を用いて局麻をしながらプロービングするという手法をとっており、仙骨裂孔へのブロックの確実性を高め、患者を痛がらせずに愛護的にブロックをする技術を持ちます。現在では過活動性膀胱や足のつりを治すために本ブロックを積極的に用いています。


 

頸胸部硬膜外ブロック

頸・胸椎への硬膜外ブロックは、万一深く入ってしまった場合、意識消失、自発呼吸消失などの重大なリスクがあるので、その代替え手段である傍頚神経根ブロックを行うことができる私は、本ブロックを行うことはほとんどないといえます。しかしながら頸部から背部への耐え難い広範囲な痛みに対しては、本ブロックが適応となります。細心の注意を払い、何度も安全確認をしながら行うブロックです。


筋膜リリース

筋肉と筋膜の間に生理食塩水、または表面麻酔剤などを注入する手技です。私も患者の要望で超音波診断装置下に精密に筋膜リリースを行うことがあります。一般的な医師は筋膜リリースが痛みや突っ張りの症状に効果的だと思っていません。しかし、中には筋膜リリースで劇的に症状が改善する患者も少数存在します。なかなか治らない時の一つの手段としてためすにはよいと思います。


医師の言論統制

H30.6.1.医師法の改正で、ネット上に「クリニックの宣伝として、他医よりも優位性を示す内容を掲載することを禁じる」処置をとることになりました。ネットはこれまで広告みなされていなかったのですが、この日を境に広告とみなすことになりました。「国民に全国どこでも平等な医療」を打ち出している国家にとって、突出した治療技術を宣伝する医師の存在は都合が悪いようです。そこで私はネット上に医院の情報は出さず、自分の技術が実績という証拠を提示しつつ「他医より優良であることを堂々と掲載すること」にしました。私は大学病院では治らない患者を専門に治療している医師ですから、そうした難治に苦しむ患者を見捨てるわけにはいきません。患者の人生がかかっているのです。今回の法改正は、難治に苦しむ方々が自力で治療法を探すというチャンスを奪うことになりました。私は極めて強い憤りを感じています。法改正で困るのは、実際に難治で困っている患者と、「明らかに他の医師よりも卓越した技術を持つ医師たち」です。卓越した技術を持つ医師が、その技術をネット上で公開できなくなれば、どうやって人々にそれを知らせるのでしょう? 法改正がどれほど医療にマイナスを及ぼしたことでしょう。優秀な人材こそを標的にしてつぶしてしまうのは人類の習性であり、医療に限らず全ての産業で見られる特徴ですので、やむを得ず了承しています。


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