筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋肉を動かすための運動神経のうち、随意運動である錐体路の神経が特異的に破壊されていく疾患です。運動神経は脊髄では側索と呼ばれる部分を通るため「側索硬化症」という名前がつけられています。そのため、筋力低下がメインの症状であり、進行すると呼吸筋が麻痺し、自発呼吸ができなくなります。診断は下顎反射などの異常反射、筋電図や髄液、筋萎縮の様子などから下されます。しかし、この病気は末期になってからではないと診断できないので、初期の筋萎縮性側索硬化症を診断することは不可能です。診断がつけば、その90%以上が5年以内に死亡するという統計が出ていますので、診断=死の宣告に等しいと言えます。しかし、それほど心配しないで下さい。私の推測ですが、この疾患は進行せずに診断が付かないうちに自然治癒してしまう例が大部分であると思います。よって、現在、ALSが疑われるような脱力症状、筋萎縮などがあって、しかし今のところALSと診断されていないが、不安で仕方ない方は「大部分が自然治癒する」と思うほうが得策と思われます。現医学ではALSの初期を見破る手段はありません。頚椎症性脊髄症と区別することも不可能に近いといえます。現在私はALS様の症状を持つ患者たちを4~5名かかえて治療に当たっています。詳しくはこちら。もう一つこちらも。

治療法(確立されていません)


脊髄・延髄・脳幹の血流が低下することにより、神経細胞が変性・壊死する、または壊死寸前となることで症状が出ると私は考えています。なぜ血流が低下するかの理由は、体を前屈させると脊髄が下方にひっぱられるからであると考えています。そこに自己免疫疾患や、糖尿、などの基礎疾患が加わり神経の炎症(損傷)が進んでしまうのではないかと考えています。つまり、根本原因は脊髄が引っ張られて血流不足に陥ることですから、交感神経節ブロックで血流量を増やせば、神経細胞が回復すると考えます。そこで私は頚部・胸部などに交感神経節ブロックを行うという治療をしています(もちろん、私の患者はまだALSと診断がついているわけではありません)。注射後、早急に筋力回復やその他の症状が軽快することから、交感神経節ブロックは唯一、このような脊髄の血行不良が原因とする疾患に有効な治療法であると推測します。患者と私が奮闘するALS治療日記があります(こちら)

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