頚椎症性脊髄症

原因・症状

加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、「脊髄症」の症状が生じやすくなっています。ボタンのはめ外し、お箸の使用、字を書くことなどが不器用になったり、歩行で脚がもつれるような感じや階段で手すりを持つようになったりという症状が出ます。手足のしびれも出てきます。比較的若年の方であれば、かけ足やケンケンをしにくくなるなどの軽度の症状を自覚できますが、高齢者では気づくのが遅れる場合があります。(日本整形外科学会HPより)


手術失敗例

この病気は手術をしても改善しなかったという例が少なくない疾患です。その理由を私になりに推測しますと…脊髄が損傷していく原因が単純に脊椎変形による圧迫だけではないことによると思われます。例えば自己免疫の問題・糖尿病による血管障害、脊椎動脈の血栓、遺伝的な神経細胞の弱さなどです。また、脊髄の圧迫がメインではなく、脊髄が下方に引っ張られることがメインで神経損傷が起こっている可能性を考えます。引っ張られることが原因の場合、脊柱管を拡大させる手術を行っても、改善しないのは当然です。


 

血行障害改善治療を第一選択に!

この病気の根本原因は、いずれにしても脊髄の血行障害です。ならば、手術を行う前に血行改善をさせるブロック注射を第1選択として行うべきではないでしょうか? 神経根ブロックや星状神経節ブロックなどを繰り返し行い、症状の改善を図るべきであり、それが全く無効であれば、そもそも手術しても改善することは難しいと思われ、それが有効であるなら手術は不要ですし、どちらにしても手術を選択するのは最後の最後でよいと思われます。もちろん、治療を先延ばしにして悪化すると困るので思い切って一か八か手術を受けるという考え方もあると思われます。ですが、私は「まずブロック治療」ではないかと考えます。

 

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